自宅までの帰り道の建物の影から小鳥がヒョイと現れました。この鳥の特徴は身体に黒い部分と白い部分があり、ハトやカラスよりも小振りです。
私はその鳥が素早くトコトコと歩いている様子をしばらく見ていましたが、全然飛び立とうとしません。歩行者や車が近づいてもまるで知らぬ顔。
立ち居ふるまい

スズメなどは両足を揃えてピョンピョンと跳ねて移動する一方、この時に見かけた鳥と同種と思われるセキレイという鳥は長い羽根を上下にフリフリ揺らしながら地面を滑るように、そして左右の足を交互に出してトコトコと素早く歩きます。これはこれで可愛らしいヒヨコやニワトリのような姿です。
特に最近街なかでよく見かけるハクセキレイは人間を恐れません。逃げないといけないであろう状況でも、走って距離をとります。
☆日本野鳥の会 埼玉「野鳥の鳴き声を楽しもうNo.24」
https://www.wbsj-saitama.org/yacho/koe/24.html
セキレイが増えた理由
元々は北海道や東北など北日本の河川敷や海岸に多かった鳥ですが、1970年代から徐々に南下し全国に進出。
彼らは人間が作った都市環境にとても適応しています。
そのような環境で繁殖できたのには以下3つの理由があります。
狩り物競争

セキレイは水辺などの開けた場所で地面を走りながら虫を捕まえるのが得意です。都市部のアスファルトや広いグラウンドのような広い場所は障害物が無く、走って虫を捕まえやすい最高の環境です。
車に跳ねられた虫や人間のゴミも見つけられるでしょうから、食料には困りません。
人工物に巣作り

日本古来のセキレイ(セグロセキレイなど)は自然の草むらや崖などに巣を作りますが、ハクセキレイはエアコンの室外機の裏・標識の凹み・高架下の鉄骨などの人工物にも巣を作れます。
このように都市開発が進んでも問題なく子育てができる強みがあるのです。
安全な寝床

夜になると駅前の街路樹や店舗の明るい看板・アーケードなどに集まって集団で眠ります。
明るくて人の往来がある場所であれば天敵のタカ・フクロウ・ヘビなどが寄ってこないため、セキレイにとって非常に安全な場所になっています。
飛ぶ鳥はただの鳥だ

さて「飛べる豚」といえばスタジオジブリの映画『紅の豚』の主人公ポルコ・ロッソ。「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」というセリフはあまりにも有名です。
自身に魔法をかけて豚の姿になった元飛行艇乗りで、真っ赤な飛行艇を操って空を飛びます。
飛ぶ鳥を落とす勢いほどでもないでしょうが、セキレイも現代を力強く生き延びてきました。
きっと「俺たちはただの鳥ではない!」というこれまでの生き様をプライドとして感じながら。
☆スタジオジブリ「紅の豚」 https://www.ghibli.jp/works/porco