樺太(からふと)の白い地図

 みなさんは世界地図を見たことはありますか? ネットではなく紙の地図です。

 先日それを見たときに気づいたことがありました。

 北海道の北にある樺太島の南半分に、どこの国の色にもなっていない白い部分があるのです。

 その東にある千島列島も含めて気づいていたはずですけど、なんだか自分の中であいまいに。

目次

諸外国にも多大にご心配いただいています

 学校の授業で使われる地図帳を作っている株式会社帝国書院のホームページで書かれていることなので、恐れずにここに載せます。

 帝国書院によると「日本政府の見解」を踏まえてとのこと。

 時系列はみなさんで調べていただくとして、白い部分がある理由は簡単に言うと話し合いができていないからです。

 国別の色分け地図で、樺太の南半分と千島列島に着色していない理由は何ですか。|株式会社帝国書院 (teikokushoin.co.jp)

 北方領土問題の経緯(領土問題の発生まで)|外務省 (mofa.go.jp)

先送りがうまいなー

 私が調べていって一番気になったのが1855年に結ばれた日露和親条約です。

 その後の樺太千島交換条約までの間、どちらの国民が居続けてもいい「雑居地」としたのです。あえて国境を決めないという条約があったのです。

 ロシアと交渉にあたったのは大目付の旗本だった筒井政憲ら。

 日本側の方針はロシア側に明確な回答を与えないことでした。事なかれ主義ともとれるあいまいな対応です。

 まともに対抗したら勝ち目は無いと踏んだのでしょう。

ロシア使節との交渉(記録材料) : 国立公文書館 (archives.go.jp)

雪深い白銀の世界

 このタイミングで国境をはっきり決めてしまっていたら、今の北方領土問題は起きなかったかもしれません。

 筒井政憲らもこんな「白い国境」の地図を思い浮かべていたのでしょうか。

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