先日に限らず、これまで何かしらの団体の予算案を見る機会が何度かありました(あくまでプライベートの話です)。
組織の形態や規模の大きさに関わらず、みなさんも何かしらの会合や会議に出席して渡された文書の中で「予算(案)」というものを見たことはないでしょうか?
今の時期に行われることの多い「〇〇総会」のような会合では、例えばこんなやりとりがなされます。
(議長)「本案を承認いただける方の挙手を願います」
…大多数の出席者が手を挙げる
(議長)「本予算案は多数決より承認されたものとみなします」「(案)の部分を抹消してください」
(出席者の心)「めんどくさー」「やっと終わったー」「早く飲みにいこうぜ」
カウントダウンが始まる

数字に関心がない組織であれば、その決議の最大の特徴は現実逃避と言えます。
そんな組織は収入が減り支出が大きく増え続けている現実があってもそれを直視せず、予算案は希望的観測や過去の慣例だけで作られていきます。
関係者によるこのような数字への無関心は次第に組織を蝕んでいくこととなり、それを放置すると以下のような悲惨な末路をたどります。
文章だけの資料に隠されたサイン

症状は総会資料や会議資料に現れていきます。そこでは肝心の数字の根拠や未来のシミュレーションが消失し、そのかわりに精神論や活動の維持継続を図る文章で埋め尽くされます。
数字をごまかすには、文章で煙に巻くのが一番手っ取り早いからです。
頑張ったとか来年は期待できるといった抽象的な言葉が並ぶようになったら、それは数字を見せるのが怖くて説明する能力を失っている完全な思考停止のサインです。
突然訪れるタイムリミット

そしてある日通帳の残高を見て、誰もが凍りつく瞬間が訪れます。
ほどなく資金が尽きるという現実にようやく気づくのです。しかし時すでに遅し。
組織は慌てて会費の値上げや主要事業の突然の廃止といった乱暴な延命策を打ち出しますが、それは長年問題を放置してきたツケを一気に会員に押し付ける行為。
「説明がなかった!」「なぜ今更?」という怒りとともに混乱に陥り、組織の信頼は失墜。かつての活動や伝統はすべて無に帰します。
予備費の計上
私がこれまで見たことのある予算案は次のようなものでした。
・まず支出(歳出)の予算計上は収入(歳入)の金額までという前提を決めます。
・もし支出が少なければその差額は、予算の段階で用途を定めない「予備費」として計上。
・以前までの繰越金が残っていたとしても、予算の段階では手をつけてはいけません。
これはあくまで本当に必要なものを可能な金額だけ支出するという考え方であったと思います。
もしそのような作りになっていなければ今すぐその煙を払い、裏にある数字を厳しく見つめ直すべきです。
それが組織の命を守る、最後のチャンスかもしれません。
☆神奈川県箱根町「箱根町のわかりやすい予算」
https://www.town.hakone.kanagawa.jp/www/contents/1100000000779/index.html
令和8年度一般会計当初予算総額は、「歳出(予備費を含む)」と「歳入」が同じ金額(142億2300万円)になっています。(PDF10ページと14ページ)
☆住信SBIネット銀行「収支計算書とは何?具体的な書き方も紹介」
https://www.netbk.co.jp/contents/hojin/tips/2021/1216_001929.html?msockid=1f6747c8e7886b3403fc50d9e6486a70