収益が低迷しているために負債の返済や基本的な運営が難しい状況にありながらも、外部の支援や低金利または無金利で担保も必要ない「ゼロゼロ融資」によって生き延びている企業があります。それがゾンビ企業です。
その企業がゾンビにあたるかどうかは、国債決済銀行という組織が定義する「インタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)」という数値で判定されます。
仮に現金預金の蓄えがある企業だったとしてもです。
営業利益と借入金の支払利息を比べて支払利息の方が大きければ大きいほど、いずれはその企業は現金預金を使い果たして破綻してしまうだろうという考え方です。
こういう状況の中で何とか存続している企業を指して、これをゾンビだと呼んでいるのです。
本当は死んでいるはずのこれらの企業が「生き返る」ためには、根本的な経営改善が必要です。
☆ゼロゼロ融資で増えた「ゾンビ企業」の生存戦略 資金繰りに苦しむ企業はどうすればいいのか | 国内経済 | 東洋経済オンライン
自分たちが内側でできること
長期的なビジョンに基づいた検討の上で収益性の低い事業や商品を見直し、集中もしくは撤退します。
不要なオフィススペースは縮小し、人件費や設備費などは削減。
業務プロセスにデジタル化や自動化を導入して、業務の効率を上げましょう。
社員同士で透明性のあるコミュニケーションを構築すべく、現状や再建計画を共有します。
社員を巻き込む改革を実施すべく、インセンティブ制度や研修を導入すれば社員のやる気を引き出せるでしょう。
顧客に対してできること
現在の市場のトレンドに合った新商品やサービスを開発します。
そして海外市場や新しい顧客層にもアプローチを行います。
競争力のある商品やサービスにリソースを集中させることができれば、自身の強みを再確認できます。
品質とサービスの質を向上させ、顧客満足度を高めていきましょう。
外部からの助けを乞うもの
資金調達を再構築すべく金融機関と負債返済のリスケジュールを交渉し、返済条件の緩和や借り換えを願い出ます。
交渉が進展しない場合は民事再生法を活用し、債権者と協力して事業を立て直します。
儲かる見込みのある事業だけを残して会社を分割し、見込みのない事業は撤退します。
新たな視点を持つ経営陣を登用し、さらに専門家を招いて改革を推進させましょう。
うわっ、ゾンビが生き返った!
こうまとめてみると「そんなの当然でしょ!」と言われそうな程度の文章になってしまいました。
ただ、もし私の事業がゾンビの立場になっていたら、こんなふうに冷静にはなれていないかもしれません。
それでも一縷の望みをかけてゾンビ企業を再生させるには、現状の問題を正確に把握し経営のすべての側面を見直す必要があります。
外部の専門家の支援を受けつつ、柔軟な発想と大胆な決断があればその企業は大きく生まれ変われるかもしれません。
企業イメージを刷新し、ポジティブなメッセージを発信してください。
これによってブランドを再構築できるでしょう。