動きの速い津波に、その時船は

 いつかのテレビもしくはラジオで「津波は時速700キロ」と言う話を聞きました。700キロならジェット機並みのスピードです。

 ですが、2011年の東日本大震災の映像ではそれほどの速さには見えません。

 「どういうことだろう?」と思っていました。

目次

津波ってそんなに速い?

 津波は地震や火山活動などで海水全体が大きく動かされて起こる波です。

 普段の波とは違って海底から海面まで全部の水の塊かのように動くため、非常に大きなエネルギーを持っています。

 そのスピードは海の深さにも比例して速くなり、例えば水深5,000メートルの外洋では時速800キロ以上になることもあります。

 東日本大震災以前まで持っていた津波のイメージを正直に言うと、サーファーが丸まった波の中に乗っている絵を想像していました。

 津波と言ってもトンネルのようなものを作って高く盛り上がるような姿はなく、波音も立てないまま自動車ほどの速度で陸地を伝っていきます。

☆東京海上日動火災「津波の速さってどのくらいなの?」 https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/world/kids/chosa/tsunami.html#:~:text=津波は水深

沖にいる船

 津波を陸地で見ていると「急に大きな波が襲ってくる」というイメージはともかくとして、沖合で航行している船は津波に遭っても大きな影響を受けないと言われています。

 外洋の津波は、波の高さが1メートルにも満たない程度のなだらかなうねりにしかならないからです。

 また津波の波長は100km以上ととても長いため、船にとってはただ水面がゆっくり上下しているように感じられるだけです。

 もしかしたら地震や津波にはすぐに気付けないかもしれません。

港にいる船

 船が沖にいれば助かりやすいですが、港などの浅い場所にいる船は非常に危険です。

 津波は浅瀬に近づくと、速度が落ちる代わりに波の高さが急激に増します。

 また、港の形状によっては波が反射・増幅されてさらに高波になることも。

 港に停泊している船は岸壁にぶつかって大破したり、ロープが切れて流されてしまうのです。

津波から船を守るために

 漁業関係者などは、津波警報が出たらできるだけ沖に避難させるのが常套とされています。  

 それが難しい場合はロープを解いて船を流すことで、船体が港の構造物に叩きつけられるのを防ぎます。

 東日本大震災では沖に避難した船は助かり、港にとどまった船は大きな被害を受けた例が数多くありました。

 後で引き戻せれば被害を回避でき、船を使い続けることができます。そして船に乗った人間も助かるかもしれません。

☆TBS NEWS DIG「“あの日”決断した漁師の運命は…転覆や沈没と隣り合わせその可否は?」 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/373104?display=1

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