先日3月31日に行われたフジテレビの記者会見にて、「性暴力があった」との第三者委員会からの調査報告があったことが公表されました。
そんなニュースを聞いて、当事者でない私でもガツンと頭を殴られた気持ちになりました。
そこで思ったことが「第三者委員会のメンバーはフジテレビの人が決めるのか?」ということです。
☆フジテレビジョン「第三者委員会の調査報告とフジテレビの再生・改革に向けて」 https://www.fujitv.co.jp/company/
誰にやってもらう?

当事者が「第三者」を決めるのなら、選ばれたその人たちは本当に「第三者」なのでしょうか?
今回のフジテレビの件では選ばれた3人全員が利害関係を有していない弁護士とされていますので、そこは私の心配が過ぎるかもしれません。
☆FNNプライムオンライン「フジテレビが日弁連ガイドラインに則った第三者委員会を設置しメンバーを発表」 https://www.fnn.jp/articles/-/818552
ここで問題になるのは「どうやってその人を選ぶのか?」という点です。
仮に会社の内部の社員が当事者でないとしても、組織の関係者が委員会のメンバーであったりすると利害が絡む可能性があります。
国税庁にも特別の機関
似たものとして私が思い出したものが「国税不服審判所」です。
国税不服審判所は、国税局や税務署から分離して作られた「国税庁の特別の機関」として設置されています。
納税者が税務署の処分に不服を申し立てたときに判断を下す機関です。
国税庁から示された法令解釈に拘束されることなく裁決を行いますので、申し立てを行うことによって納税者側が有利になる可能性もあります。
逆に納税者側にさらなる不服がある場合には裁判所に訴訟を申し出る余地もありますが、行政側(原処分庁)にとってはここが最終判断の場となります。
上で「似たもの」と言った理由は、実際には国税不服審判所と国税局や税務署との人事交流が行われているからです。
この点を取り上げて「第三者委員会のように本当に独立しているのか?」と疑われてしまうと、私からは返す言葉がありません。
☆国税不服審判所 https://www.kfs.go.jp/index.html
実例
結論が出た後で「本当に独立していたのか?」と疑われることもありますが、第三者委員会が公平に機能したと評価されたケースがあります。
*東芝の不正会計問題(2015年)
東芝が利益を水増ししていた問題で、外部の弁護士などで構成された第三者委員会が調査しました。
報告書では「経営陣が組織ぐるみで関与していた」と厳しく指摘し、結果として社長が辞任する事態になりました。
この点が会社寄りの結論でなかったとして、一定の公平性が認められました。
*日産自動車のゴーン事件(2019年)
ゴーン元会長の不正疑惑について第三者委員会が報告書を出し、ガバナンス(企業統治)の欠陥を指摘しました。
これを受けて経営体制の改革が進められていきます。
ゴーン氏だけを悪者にする内容ではなく会社側の問題も指摘したため、比較的バランスが取れていたと評価されています。
あのー、まだ会見やるんですか?

第三者委員会は公平・中立な立場から事実を調査し、信頼性の高い報告をすることを目的に組織されます。
もしここに当事者が関与してしまうとバイアスがかかり、調査の信頼性が損なわれてしまいます。
そして組織内部の人間では利害関係が生じる可能性があります。
大きな組織の中で何かしらの不祥事の当事者となってしまった場合は完全に独立した立場の調査者を確保したうえで第三者委員会を組織し、そこから受けた調査結果報告を適正に公表してもらいたいです。
それにしてもフジテレビの会見があまりに長くて長くて、みんな眠たくならなかったのかな?