簡単に言うと、個別の企業情報、倒産情報、景気動向調査などを行っている会社です。
750.pdf (tdb.co.jp)
若手の大切な仕事
税務署で滞納整理の仕事をしていた20歳代前半、職場に一週間に2回帝国データバンク発行の冊子「帝国ニュース」が配達されてきていました。
帝国ニュースの倒産情報に管轄内の法人がないかどうかを探して、さらにその会社に滞納が有るかどうかを調べます。
経験が浅い職員にとってそこに書いてある会社に滞納があるかどうかは、コンピューターで調べることはそれほど難しくはありません。それでも滞納を取り立てる組織として重要な仕事です。
どこを見ていたかというと、たしか「シグナル(うる覚え)」や「倒産情報」という記事を見ていた記憶があります。
「シグナル」欄は当時の先輩によると、1回目の手形不渡りがあったときに掲載されると聞いていました。
「倒産情報」欄にはズバリ、倒産とされた会社が掲載されます。破産決定や銀行取引中止があった会社が掲載されます。2回目の手形不渡りもここに当てはまります。
その会社の信用を示すバロメーター
手形とは会社があらかじめ開設した当座預金口座の資金を元手に、現金の代わりにやりとりする文書です。当座預金口座は普通預金口座とは別に開設します。
A4サイズの4分の1の決められた様式で作成され、これを取引当事者の間で使用します。
不渡りとは、作成した手形代金の元手としなければならないはずの当座預金の残高が不足して現金化できなくなってしまった状態のことです。
口座にお金が入ってないのに、支払先に対して「あー大丈夫、だいじょうぶ!」「心配ご無用」と言っているようなものです。
手形ってこれが怖いのです
しかしこういうことも…
税務署勤務時代に目の当たりにしたことです。
大企業との取引もしていたであろう、とある会社がその時2億円余りの手形を発行していました。
当座預金口座には残高が足りるように準備していたはず。
しかし口座が作られていた銀行は何の予告も無く、当時の借入金と当座預金を相殺してしまったのです。
意図せず残高不足となりました。その会社はもう風前の灯火に。
今回の銀行の対応を考えたら事業再開も見込めません。
1回でも不渡りが出されてさらに事業再開ができない状況を鑑み、税務署は「帝国ニュースよりも早く、取れるものはすべて…」と動いていきました。
メディアとしての信用調査会社
一般紙を取り扱う大手新聞社とは違って、帝国データバンクという一企業の規模や社会への影響力はそれほど大きな会社ではないという印象が長くありました。
以前の自分のことを思い出しつつ、今回帝国データバンクのホームページを見ました。
企業調査は官公庁が見ているだけでなく、会社同士が取引を円滑に安定して継続できるような様々な情報を提供しています。
こういった個別の企業情報などを長年にわたって日々取り扱っています。
帝国データバンクさんの情報は企業にとって、実はとても影響力が大きいメディアなのですね。