地下鉄がもうゴチャゴチャしてて

 田舎者が東京近郊に住んでいると地下鉄の乗り換えに苦心します。

 宮坂さんもそれにもれずに田舎者。

 関門海峡を地下トンネルで渡るJR山陽本線の門司駅と下関駅の間も立派な地下鉄だと言っています。

 まぁ当たっているような、いないような…

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おらの土地はここからここまで

 土地を買うと原則は地上だけでなくその地下も買った人のものになりますが、土地の所有権は「地上」と「地下」の範囲がどこまでなのかが法律によって決められています。

 民法第207条では「土地の所有権は、法令の制限内において、その上下に及ぶ」と規定されています。  

 つまり土地の持ち主は地下や上空も所有するが、法令によって制限されるという考え方です。

 上空は無制限に所有できるわけではなく、航空法により「航空機が飛ぶ高度」などは土地所有権の及ばない領域とされています。

 地中部分であっても、必ずしも土地所有者の許可が必要なわけではありません。

都市の発展に伴う歴史的な背景

 古くから発展してきた都市であるロンドンや東京は、地下鉄においても100年以上の歴史があります。

 江戸時代の江戸城を守る堀の水路は「の」の字に作られたため、それを埋め立てて作られた東京の道路はまっすぐなものがほとんどありません。

 よって、路面電車や自動車がクネクネ走っている道路の下にしか地下鉄を作れませんでした。

ビルと駅が上下に直結

こんな駅、あったっけ?

 もし所有者のいる土地の下に地下鉄を通そうとすると、路線にある建物すべての所有者に地代を支払って許可を得なければなりません。

 特に建物が密集している地域では莫大な補償が必要となります。

 東京都などの地下鉄事業者は私有地や路線同士がぶつからないように、国や自治体所有の無償で使用可能な道路の下に地下鉄を作っていきました。

 そして地下鉄は既存の都市の下に建設されるため、後から増設された路線は他の路線との交差・地上の建物・道路・川・鉄道・既存の地下構造物を避けながら敷設する必要があります。

 それにより駅の構造が複雑になったり、駅の位置が入り組んだりしたのです。

 そこで平成12年に制定された「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」によって、地下鉄の事業者は40mより深い地下を無償で使用できるようになりました。

☆国土交通省「大深度地下とは」
https://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/crd_daisei_tk_000007.html

25分も歩けばもう駅ひとつ分

 乗り換え駅では複数の路線がつながるすべての路線を同じ深さに作るのは難しいため、縦に何層にも重なるような駅の構造になります。  

 これによって東京や大阪のような大都市の一部の駅は、構内が迷路のようになってしまいました。

 これも「実質地下鉄」と言えるのがJR総武本線の東京駅地下5階ホームです。

 ずっと地下に潜っていくこのホームは、私が当時よく使っていたJR中央線の東京駅ホームとは同一駅とされています。

 ネットでの個人ブログや知恵袋では乗り換えの所要時間は「走れば5分」と書いているものがありますが、慣れていなければ「20~25分」と言っている投稿もあります。

 私はこのどんどん地下へ潜る道のりの間「この道はどこへ向かっているのだろう」と相当不安にさせられた記憶があります。

 所要時間は数十分の余裕が必要です。とても同じ東京駅とは思えませんから。

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