以前の職場やニュースでの国会議員の発言でよく聞く表現の中に「総合的に判断して」というものがあります。
周囲が特定のことについて「どういった理由で判断したのか?」と質問しあるいは疑問に思っているのに、それに対して具体的なことに触れないまま「総合的に判断して…」が答えでは会話になっていません。
具体的な表現の重要性
具体的な表現は、受け手に対して明確な行動指針や理解を提供します。
そのような情報提供の方法により、無駄な確認作業や誤解を減らして効率的なコミュニケーションが可能となります。
曖昧な表現の問題点
「総合」の反義語は「分析」です。
「分析」には個別具体的な検討が必要であるのに、その言葉の反対の表現である「総合」という言葉を使っているということは何も検討していないのか、検討内容に何か問題があるのではと疑われてしまいます。
具体性に欠ける表現により、発言者の信頼性や専門性に疑問が生じるでしょう。
さらには受け手によって解釈が異なる可能性があります。
もしそうなると、発言者が意図している内容がさらに伝わらなくなります。
「分析」と、その対義語を極めたい~療育の専門家に求められること~|ST
改善のためのポイント
抽象的な表現を避け、具体的な数字や事例を用いてください。
相手がどの程度の情報を必要としているかを考え、適切な詳細さで情報を提供します。
「~的」に加えて「それ」「あれ」「~など」といった表現ではなく、明確な言葉を選びましょう。
新記録がかかったりするとね
「総合」という表現は抽象的であり具体性に欠けるため、受け手に曖昧な印象を与えます。
特にビジネスや公式な場面で曖昧な印象を与えてしまうと誤解や混乱を招くことがあるため、具体的で明確な表現が求められます。
「総合的に判断した」と言われた側は、「分析」の内容も知りたくなりますよね。
しかし併せて、上記と同じリンク内ではこうも言っています。
「分析」にこだわり過ぎると「総合的」判断の目的を見失ってしまうとも。
野球なら自身のチームの「総合的」な勝利を優先すべきであろうに、ピッチャーは一人で目の前のバッターをアウトにしようと「分析」することばかりに集中している。
バッターの分析ができないということは総合を達成できないという一方で、分析ができたからこそ総合を達成できるとも言えます。
バッターをしっかり打ち取ってアウトにできたからこそ、試合に勝てるのです。
より明確で効果的なコミュニケーションを作るためには、「総合(結果・目的)」と「分析(過程)」どちらの点も意識していきましょう。