私以上にラジオをよく聴いている宮坂さん。
宮坂さんにとってラジオやテレビの放送局なら当然の業務だと思っていたことが、今年に入って覆されたと言っていました。
福岡県北九州市にあるラジオ放送局で「ニュース室(他局では報道センターなどと言われる部署)」が閉鎖されたとのこと。
ホームページでの公式発表では無く、まるで番組内のひとつのコーナー(例えば曲のリクエストコーナー)が打ち切りになったような程度の扱いです。
☆CROSS FM「DAY+」(現在も継続中の番組)
https://www.crossfm.co.jp/contpgms/k_main.php?oya_id=346&ko_id=75893&ko_date2=2025-02-03
おおよそスマートフォンで見るブログの形式です。
ラジオ局の多様な役割
ラジオは音楽・トーク・バラエティなど、幅広いコンテンツを届けるメディアです。
地域に根ざした放送局もあれば、全国向けに発信する大きな放送局もあります。 そういった中でニュースなどをどのような内容で制作するかどうかは、その局の放送方針によって異なります。
☆CROSS FM「放送番組編集基準」 https://www.crossfm.co.jp/contents/w_main.php?oya_id=8
ニュース放送は義務?

一般的とされるラジオやテレビの放送局は、電波法第4条によって免許制となっています。
☆総務省電波利用ポータル「無線局免許状等情報」 https://www.tele.soumu.go.jp/musen/SearchServlet?pageID=4&IT=H&DFCD=0000021223&DD=1&styleNumber=01
そして放送法では「表現の自由」や「健全な民主主義の発達」などの理念が掲げられていますが、必ずニュースを放送しなければならないという明確な義務はありません。
ただし放送局が放送法第5条に基づいて総務省に提出される「放送番組編集基準」には、報道・教養・娯楽などのバランスが求められるでしょう。
そのため、新規に開局する段階で全くニュースは放送しないというような基準を定めてしまうと、免許の審査時に不利になる可能性があります。
それでもニュースが重要な理由

ラジオ放送は災害や緊急時の対応力を期待されています。
しかし例えば大きな地震や台風が発生したときにその地域の放送局からニュースがまったく流れてこなければ、住民からの信頼を失うリスクがあります。

また広告主やスポンサーにとってはその放送局が「社会的責任を果たしている局」としての印象が重要になるため、ニュースがないことが営業面でマイナスになる可能性もあります。
リスナーとの信頼関係
法的には問題がなくても、ニュースを放送しない選択がその放送局の姿勢として受け取られることがあります。
エンターテインメントを重視するのか
地域のインフラとしての役割を果たすのか
ラジオ局としての方針をよくよく考えての判断がされたのでしょう。
ちなみに上記で挙げた「放送番組編集基準」では、まだ報道番組としての基準は抹消されていません。
報道機関としてのニュースを放送するかどうかは自由です。
その上でリスナーや地域社会との信頼関係を築くための最低限の情報提供の手段は何なのかと、常に考えていてほしいと思います。