福岡市内を走るJR鹿児島本線の千早駅と箱崎駅の間に2027年新駅が開業する予定があり、現在JR九州ではその新しい駅名を公募しています。
☆JR九州ニュースリリース https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2025/04/25/20250425_new_station_names_between_Chihaya_and_Hakozaki.pdf
☆マイナビニュース「JR九州、鹿児島本線千早~箱崎間新駅の駅名を募集」 https://news.mynavi.jp/article/20250425-3243401/
駅名決定のポイント

新しい駅名を決める際には、様々な要素を考慮し地域に愛され長く親しまれる名称にすることが重要です。
駅の近くにある有名な建物や自然景観を駅名にすることで駅の印象が伝わりやすくなり、地域のイメージアップにつながります。例えば「〇〇公園駅」や「△△街道駅」などが考えられます。
他方で長すぎず発音しやすい駅名を採用すれば、利用者にとって親しみやすくなるでしょう。
外国語ユーザーにとっても発音しやすいかを考慮することも大切です。
カタカナの駅名

JR東日本の山手線に「高輪ゲートウェイ駅」が誕生した背景には、今回お話ししている新しい駅名の考え方と共通する点が多くあります。
「高輪ゲートウェイ駅」は山手線の約50年ぶりの新駅というだけでなく、泉岳寺駅周辺の広大なJR車両基地跡地で進められた大規模な再開発プロジェクトです。
敷地全体が一体的に開発される中で、50年ぶりという新しさや象徴性を駅名で表現しました。
「ゲートウェイ」という言葉が示すように、この駅を国際交流拠点としての未来の玄関口と位置づける意図があります。
既存の地名にとらわれずに地域の新しい役割や魅力を表現しようとする点は、鹿児島本線新駅の命名にも通じる考え方と言えるでしょう。
☆高輪ゲートウェイシティ TAKANAWA GATEWAY CITY
貝塚駅ではダメ?

新しいJRの駅は、既にある福岡市営地下鉄と西日本鉄道の貝塚駅に非常に近い場所に建設されます。
ですから「この駅で乗り換えられますよ」という意図を伝えるためにも、同一の駅名を採用するという考え方がふさわしいとも考えられます。
ただし同じ貝塚駅でも運行会社が異なるため、路線図や駅構内の案内表示で「JR貝塚駅」や「地下鉄貝塚駅」といった明確な区別が求められます。
未来へは前向きな駅へ
物理的に近くても、異なる鉄道事業者が運営する駅で同じ名称を使用することは混乱や不便を生むおそれもあるため避けるべきだという意見も見受けられました。
単に場所を示すだけでなく「この駅が地域に何をもたらすのか」「どんな未来を描いているのか」というメッセージを駅名に込めるという点で、「高輪ゲートウェイ駅」と鹿児島本線の新駅には共通の狙いがあると言えます。
ちなみに私は「貝塚駅」派であり、「高輪ゲートウェイ駅」は駅名どころかそもそも隣の品川駅に近過ぎると思っています。