年分と年度と事業年度の違い

 皆さんは「年分」「年度」「事業年度」という言葉を日常生活やビジネスシーンで耳にされたことがありますか?

 聞かれる機会はたくさんあるでしょうが、混同されがちな言葉だなという印象がありますのでその違いを書き並べてみました。

目次

日常生活や公的手続き

 一般の生活者にとってはこれらの言葉の使い分けはさほど厳密とは言えません。

「年分」
 1月になれば「明けましておめでとうございます」「ことよろー」と挨拶します。
 年賀状は「1月1日(お正月)になりましたね」という意味で作られます。
 年末になれば「よいお年を」です。
「年度」
 公的補助金や助成金の申請では「2025年度の募集」といった表現がよく見られます。
 学校での学年は1学期から翌年の3学期(一部地域では2学期)までを指します。
☆福岡県古賀市「小・中学校2学期制」 https://www.city.koga.fukuoka.jp/cityhall/work/gakkokyoiku/001.php
「事業年度」
 株主総会や決算報告のニュースで「〇〇株式会社の2023年度決算」といった言葉を見聞きすることがありますが、他に一般消費者の生活の中ではあまり聞かれない言葉です。

会計や税務では

 ビジネスや税務では、これらの言葉の定義が正確に決められています。

 「年分」は数字の順番通り1月1日から12月31日までを指し、「暦年(れきねん)」という言い方もします。
 個人の所得税確定申告は1月1日から12月31日で区切られ、その期間の収入や経費を計算します。
 「年度」は必ず4月1日から翌年3月31日で区切られ、「会計年度」とも言われます。
 地方自治体が賦課決定を行う住民税や固定資産税はこれで区切られます。
 「事業年度」は法人が決算の締日を任意に定めます。
4月1日~3月31日の法人もあれば、1月1日~12月31日を事業年度とする法人もあります。
 他の日でも任意に定めることができますので、上記の「年分」や「年度」に合わせる必要はありません。
 法人はいつでも設立できますので、最初は1年よりも短い場合があります。
 さらには決算日を月末にしていない会社もあり、全国で衣料品販売を行う「しまむら」は毎年2月20日が決算日です。
☆株式会社しまむら「会社概要」 https://www.shimamura.gr.jp/company/profile/

「年度」はイギリスから

「年度」が3月締めになった背景には、歴史や行政の要因が関係しています。

 日本で「年度」が始まったのは明治時代です。

 いったんは1月から12月までと定められましたが、イギリスの会計制度を習って1873年(明治6年)に4月1日から翌年3月31日までと変更されました。

 そしてさらに欧米の教育制度も取り入れるべく、国の会計年度と学校の年度を一致させるために4月〜翌年3月にしました。

 新年度の予算で学校運営を計画・運営する都合上、行政と学校の年度が揃えられたのです。

 学年の区切りとなる卒業が3月末となったことから、企業もそれに合わせて4月入社が一般的になりました。

 これにより、多くの企業も4月からの年度を採用するようになったのです。

その話っていつからいつまで?

 「年分」「年度」「事業年度」のうち、上部組織の財務省を含む各省庁や地方自治体は「年度」がよく使われています。

 しかし国税庁では「年度」はほとんど使われていません。

 その代わりに使われるのが「事務年度」。これは7月1日から翌年6月30日までです。

 そして私たちの定期人事異動はその10日後。

 国税庁以下の職員は上記4つの期間と定期人事異動時期を意識して仕事をしています。

 どうしてこんなことになっているのかその理由を、皆さんはいかがお考えになりますか?

 もうたくさんありすぎて、私はこれ以上頭が回りません。

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