桃太郎は日本の有名な昔話です。よく語られている物語の概要は以下のとおりです。
ドンブラコー、ドンブラコ

おばあさんが川で洗濯をしていると大きな桃が流れてきました。
おばあさんはその桃を持ち帰っておじいさんと一緒に切ろうとすると、桃の中から男の子が生まれました。
「桃太郎」と名付けられたその子は元気に成長していきます。
桃太郎はある日鬼たちが村を襲っているという話を聞き、犬と猿とキジを家来として鬼ヶ島へ鬼退治に行くことを決意しました。
鬼ヶ島での激しい戦いの末に桃太郎は鬼の大将を倒し、鬼たちが盗んだ宝物を取り戻します。
村に戻った桃太郎たちは宝物を持ち帰り、村人たちの元に返されました。
おかげで村には平穏が戻りましたとさ、めでたしめでたし。
めでたしめでたしでは終わらない
この物語は勇気・正義・友情の大切さを教える、日本の代表的な昔話として親しまれています。
しかしこの物語にはもっと複雑な事態が発生していたという見方があります。
この一件について鬼側の原告は、桃太郎被告が財産を強奪したという罪を訴えました。
さらに刑事裁判の中で検察官は桃太郎被告について、
「自身が持っていた刀で鬼の一人を斬り殺し、さらに30人以上の鬼に重傷を負わせたことは刑法第240条の強盗殺人罪にあたる」
と証言します。
☆刑法第240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
☆NHK for School「昔話法廷」 https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005180366_00000
桃から生まれたあなたは何者?

桃太郎被告は自らの犯行をおおよそ認めていますが、そこに至るまでの経緯をこと細かく弁明しています。
・桃から生まれたという出自についてのSNSでの質問に答えて以降、誹謗中傷が相次いだ。
・村の中でも嫌がらせを受けるようになり、それがおじいさんやおばあさんにまで被害が及ぶようになった。
・「鬼が村へ襲撃してくる」やその直後の「鬼は退治した」という嘘をSNSに投稿したのは、そんな投稿が拡散される度に右往左往する村人を見たかったから。
・自身への差別的な発言がどれほど醜いものかを知らしめたかった。
桃太郎に裏切られた
この犯行に及ぶ直前に桃太郎は、鬼退治に向かう当初から家来としていた犬とキジに対して解雇の処分を言い渡していました。
処分の理由は「最新の技術や戦略を取り入れて、鬼退治の品質とスピードを向上させる」としていましたが、その背景には上記のような桃太郎の言動に従うことができなくなった犬とキジの思いを鑑みることができます。
☆虚構新聞「桃太郎、犬とキジを解雇 鬼退治の効率化図る」 https://kyoko-np.net/2023040601.html
今回も虚構です。