収穫の時期としてはもう過ぎてしまったでしょうか?
2週間前だったか、スーパーマーケットでマツタケを見かけました。
2本で4,000円かもう少し高かったか、値段が書かれたシールに驚いた記憶があります。
たき火だ、たき火だ、落ち葉たき
マツタケが高価になった理由は希少価値によってでしょうが、生産量が減っていったのは寄生するためのいわば土台として必要である赤松の数とのバランスが崩れたからと考えられます。
何十年かさかのぼると、調理のために使われていた燃料は赤松が多く使われていました。
「落ち葉で調理する」と言ったら、庭掃除で集めた枯葉に火を焚いて焼き芋を作る光景が思い浮かびます。
土台である赤松は燃料の他に、建物の木材にも使われていました。
居場所を求めて山奥へ
マツタケにとっては、それまで赤松とその落ち葉とちょうどいい関係にありました。
そんな時代からやがて燃料はガスにとって代わり、建物にはコンクリートが使われるようになりました。
使われなくなった赤松が伐採されないままだとその土壌の栄養分は増えるばかり。
しかしその栄養は他の菌に取られてしまって、マツタケの菌はそこで生きていけなくなってしまいます。
ライバルが近寄らない、だけど居場所は残っていないとダメなのです。
それゆえ、マツタケは栄養分が比較的少ない土壌を好みます。
マツタケが絶滅危惧種になった理由は、森が豊かになったから(田中淳夫) – エキスパート – Yahoo!ニュース
山から怒られますよ
猛暑と少雨が続いた昨年、長野県の旅館で地元産のマツタケ料理が出せずに泣く泣く外国産を使うことになってしまったとNHKニュースで報道されました。
今年ももしかしたら大変だったかもしれません。
ただマツタケが安かった数十年前だけではなく、もっと長いスパンで考えることも必要です。
赤松を必要としていた時代があったのに、今になってマツタケが減っているのは問題であるという考え方は「人間の独りよがりだ」と各地の山の神から言われても仕方がありません。