5月23日に広辞苑刊行70年の記念イベントが東京で行われました。
そこで取り上げられたのが、恋愛の語釈をこれまで「男女が互いに相手を恋い慕うこと」としていたことです。
これを男性+女性に限るべきかという点が話題になりました。
これについて最新の第7版では「(男女が)互いに相手を…」とカッコ付きになっているそうで、「この10年ぐらいで恋愛という言葉の枠が広がっている」とイベント登壇者の平木靖成さんは話されていたとのこと。
☆朝日新聞「天声人語」5.27(有料記事の部分) https://digital.asahi.com/articles/DA3S16222559.html?iref=comtop_Opinion_05
☆岩波書店「広辞苑刊行70年記念トークイベント」 https://www.iwanami.co.jp/news/n114125.html
ガチでやばいよ

言葉は生き物のように変化し続けています。
ここ10年間で私たちが日常的に使う単語の中にも、意味が大きく変わったり新しい意味が加わったりしたものが数多くあります。
「ガチ」(本気→すごく)、「やばい」(危険→すごい・素晴らしい)、「神」(宗教的存在→最高の評価)などのように意味が変化した単語は、私の中ではまだ辞書に載っていないと思っているくらいです。
「やばいよ、やばいよー」と言うあのタレントさんは、どっちの意味で使っているのでしょう?
デジタル時代の新解釈

*バズる
虫の羽音を表すbuzzという擬音語でしたが、今やSNSで話題になることの代名詞です。
XやInstagramへの投稿が大きく拡散される現象を指すようになり、マーケティング業界でも頻繁に使われています。
*リモート
以前は離れていることを意味していました。
新型コロナウイルスの影響で在宅勤務の意味が強くなり、働き方改革の象徴的な言葉となっています。
ライフスタイルの変化とともに言葉も省略

*サブスク
サブスクリプションの略語として、定期購読サービス全般を指すようになりました。
ネットフリックスやスポティファイの普及とともに、一般的な言葉として浸透しています。
*ワンチャン
ワンチャンス(one chance)の略で、「もしかしたら」「ひょっとして」という意味で使われるようになりました。
可能性の低い状況でも希望を込めて使用されます。
*エモい
芸術ジャンルで使われるエモーショナル(emotional)から派生した言葉です。
現在では「感情的になる」「懐かしい」「心に響く」といった意味で、幅広い感情表現として定着しています。
生きているから変化する
ネット上で見ることができるgoo辞書・コトバンク・weblio辞書の各サイトでたった今「恋愛」を調べると、対象は男性と女性ではなく「特定の人」とされていました。
言葉の変化を追うことで、時代の変遷を感じ取ることができます。
デジタル化・ライフスタイルの多様化・働き方改革といった時代の流れが、私たちの言葉使いにも大きな影響を与えています。
最後に、時代の変化をもう一つ。
☆goo辞書「サービス終了のお知らせ」 https://help.goo.ne.jp/help/article/2889/
2025年6月25日(水)13時で終了するとのこと。