宮坂さんは小学生から高校生までの12年間、ずっと自分の子ども部屋を与えられていました。
学習机もベッドもピアノも、そしておもちゃもあるスペースでした。まるでどこかの御曹司かのよう。
ただしエアコンはありません。
暑くても寒くても、その日の勉強が一通り終わるまではその部屋を出ることが許されないのです。
「こんなことならずっと観察してくれてもよかったのに」と思っていたそうです。
この子が心配だから

子ども部屋がある方がいいかどうかは、家庭の価値観・子どもの性格・生活スタイルによって異なります。
子どもが少し部屋を空けた間に徹底的に部屋を捜索するという親が多いようです。
「掃除」と称して子ども部屋に入り込み、子どものスマホを勝手に覗いてしまいます。
「スマホを除くのは論外」とは言えるものの、「子どもが心配」という親の気持ちも間違っているとは言い切れません。
☆講談社with class「教育のプロが断言するワケ…“監視”ではなく“対話”で言葉を引き出す方法とは https://withonline.jp/with-class/education/topics-parenting/ZrI5q
子ども部屋を作るメリット

自分だけの空間があることでプライバシーが確保でき、落ち着いて勉強や読書ができます。
部屋の管理を任されることになるので自立心が育ちやすくなり、整理整頓の習慣が身につきます。
親が仕事で忙しく生活リズムが違っていても、お互いに干渉しすぎず過ごせます。
陰でコソコソしたいこともあるでしょう。
子ども部屋を作らないメリット

リビングなどで過ごす時間が長くなり、家族との会話の機会が増えます。
自分勝手に夜更かししにくくなるので、家族全体の生活習慣を安定させることができます。
リビング学習の環境なら、親が色々な場面でサポートがしやすくなります。
家のどこにいても勉強できるニュートラルな部屋の使い方は、現代のオフィスでいう「フリーアドレス」の考え方とも言えます。
あえて監視される場所で勉強や仕事をすることで、進捗が良くなることもあるはずです。
☆講談社with class「賢い子はどこで勉強する?一級建築士があえて子ども部屋を作らない理由」 https://withonline.jp/with-class/house/topics-building/iqCdP
折りを見て判断
宮坂さんのご自宅は間取りの決まっている賃貸住宅でしたので条件が多少違うでしょうけど、「普段はオープンスペース」や「必要に応じて仕切れる部屋」と区分けができるのであれば、この方法で両方のメリットを活かせます。
最初は子ども部屋を設けず、成長するに伴ってその都度子どもの様子を見ながら考えていってもいいかもしれません。
その時に部屋が無いからこそ、様子を見ながら検討することができます。
そして、子ども本人の性格によっても合う・合わないがあるでしょう。
個室が必要かどうかは、子どもの成長や性格に合わせて考えていくのがいいと思います。