「いっちょまえ」ありがとう(税に関する高校生の作文)

 今回は「税に関する高校生の作文」の令和3年度入賞作品を取り上げます。

 学校法人日章学園鹿児島城西高等学校2年生の宮内陽翔さんの作文です。

☆国税庁「税の作文(中学生・高校生)」 https://www.nta.go.jp/taxes/kids/sakubun/koko/r03/sakubun.htm#kyoku11

目次

障がい者を支援

 作者である宮内さんは療育手帳の交付を受けており、鹿児島市ではこの宮内さんのような様々なハンディを持った人に対して「友愛パス」を支給する制度があります。

 この作文では、「友愛パス」を使って障がい者施設に通っていた時のことを述べています。

☆厚生労働省「障害者手帳」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/techou.html

☆鹿児島市「友愛パスの交付対象者と申請方法について」 https://www.city.kagoshima.lg.jp/faq-kenkofukushi/syofuku-syo/q32.html

卓球を頑張りたい

 宮内さんがこの施設に通う理由は大好きな卓球の練習に行くためでしたが、共働きの両親の車で1時間近くもかかる施設まで送迎をしてもらうことには負い目を感じていました。

 しかし宮内さんは支給された「友愛パス」を使うことで、運賃が無料になるバスに乗って通えるようになりました。

☆社会福祉法人鹿児島県身体障害者福祉協会「鹿児島県障害者自立交流センター(ハートピアかごしま)」 https://heartpiakagoshima.jp

感謝の気持ちを忘れずに

 どうして無料で乗れるのかと疑問に感じていたところ、実は税金が使われていることを知りました。

 「みんなの税金の一部を使わせてもらっているのだから、陽翔も感謝の気持ちを忘れてはいけない」と父親から聞いたのでした。

 宮内さんが通っている施設も、税金で運営しているそうです。

残高0円でも乗り放題のはずが

 私の知人である宮坂さんは2枚のICカード定期券を持っています。1枚はバスでもう1枚は電車です。

 バスの定期券には以前から残高が入っており、最近使い始めた電車の定期券には残高を入れていません。

 皆さんは電車に乗るなら、当然電車の定期券を使いますよね。もし残高0円でも何の心配も必要ありません。

 しかしつい先日、誤ってバス定期券の残高を使って電車に乗ってしまいました。

 すると、当たり前のようにサラッと普通運賃の金額が残高から引き去られます。

 「電車の定期券もちゃんと持っていたのに普通運賃を払ったなんて、悲しすぎる〜!」と宮坂さんはとても嘆いていました。

 宮内さんが持っている鹿児島市の「友愛パス」もICカードになっていますが、これまで利用し続けていても残高はずっと0円のまま。

 残高不足であるとの表示は出ず、宮内さんは利用する度にいつも聞こえる「ピッ」という気持ちのいい音に安心しています。

☆鹿児島市交通局FAQ https://www.kotsu-city-kagoshima.jp/cust-faq/p-1763/

 「陽翔もいっちょまえ(一丁前)になったねえ。」

 一人で通えるようになった宮内さんを両親は自分のことのように喜んでくれたため、とても自信が付いたそう。

 そんな気持ちにさせてくれたのは福祉サービスであり税金のおかげだと、宮内さんは思っています。

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