先日、私のところに一通の興味深いメールが届きました。
「飛馬行きまーす!父ちゃんにぶたれてばかりなのに!」という、とても意味深長なメッセージです。
この短い一文には、複数の解釈の可能性が潜んでいるように感じられます。
馬車馬のように駆け巡る


まずは「飛馬」という言葉に注目します。
将棋を嗜む方であれば、すぐに「飛車」と「馬(角行が成って金の動きが加わる)」という駒を連想されるのではないでしょうか。
飛車は将棋盤の上を縦横(じゅうおう・たてよこ)無尽に駆け巡り、馬は斜めに強力な効きを持ちます。
この二つの強力な駒が合わさった「飛馬」という言葉には、盤面を制圧するほどの力強さが感じられます。
ただの入力誤りだったりして

そしてこの言葉を見て、昭和時代の国民的アニメ『巨人の星』の主人公である星飛雄馬(ほしひゅうま)を思い浮かべた方もいらっしゃるかもしれません。
「飛馬」を「ひゅうま」と読んだ方々にとっては、彼の名前を知っていれば自然な発想でしょう。
しかし、メールの内容を仔細に見てみると「父ちゃんにぶたれてばかりなのに!」という部分が引っかかります。
星飛雄馬は作中で父親である星一徹(父ちゃん)から厳しい指導を受けるものの、その厳しさは飛雄馬を一流の野球選手に育てるための愛情の裏返しとして描かれています。
メールの真意

では、このメールの真意は何なのでしょうか。
もしかするとメールの差出人は将棋の対局に臨む決意を「飛馬が行く」という言葉で表現し、同時に厳しい状況に置かれている自身の境遇をアニメの主人公になぞらえて嘆いているのかもしれません。
飛雄馬が一徹にぶたれながらも将棋の駒としての「飛馬」のような力強さを備え持つようになり、一流の野球選手(あるいはタイトル総なめの棋士)へと成長していく。
これらの要素が複雑に絡み合い、メッセージに独特のニュアンスを与えています。
この興味深さが迷惑メールの誘い口
今回の迷惑メールからの考察はいかがでしたでしょうか?
一通の短いメールから将棋とアニメ、そして個人的な感情が垣間見える今回の事例は言葉の多義性とその背景にある文脈の重要性を改めて教えてくれます。
そしてどちらも古谷徹さんが声優として出演した「巨人の星」と「機動戦士ガンダム」というごちゃ混ぜ感。

受け取ったメッセージの表面的な意味だけでなくその背後にあるかもしれない様々な要素に想像力を働かせることの面白さを、この「飛馬行きまーす!」という一言から感じ取ることができたのではないでしょうか。
今回のメールは本文をメモアプリに保存していました。ブログのためにこんなこともやっています。
次回の迷惑メールからはスクリーンショットをとっておくことにします。
皆さんは少なくともメールの中にあるリンクアドレスは開かないようにしてください。
☆一般財団法人日本データ通信協会「迷惑メール相談センター」 https://www.dekyo.or.jp/soudan/index.html