昨日3月23日で今年の春のお彼岸シーズンが終わりました。
お墓参りに限らず行楽でお過ごしだった方は、比較的晴天下であったところが多かったのではないでしょうか?
私は一昨日22日にお墓参りに行ってきました。
私の前回のお墓参りは去年9月の秋のお彼岸。ご先祖の皆様においては変わりなくお過ごしのようで安堵しています。
ただこのお墓は私の母方です。
由緒あるお寺へ
東京都豊島区の都立雑司ケ谷霊園には、明治時代以降に活躍した小説家の泉鏡花の墓じまいがされた跡があるそうです。
近年は遠縁が継承してきたものの、このままでは無縁墓になって撤去されてしまうという危機感から東京・神楽坂にある圓福寺(えんぷくじ)に相談。
寺において永代供養をしていくことになりました。

将軍家のお墓も

江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜のお墓ももうすぐ墓じまいになってしまうとのこと。
慶喜から数えて4代目の慶朝が2017年に死去し、もう他に徳川姓を名乗る男系子孫はいません。
慶朝の姪である山岸喜美さんが徳川慶喜家の墓や史料など全ての責任を負うことになりましたが、あくまで姪である山岸喜美さんは他の家に嫁いでいます。
「当主として慶喜家の墓に入るのは叔父(慶朝)が最後。私の代で絶家にすることになりました。親族らも同意してくれた」と。
☆文春オンライン「徳川慶喜の玄孫が“将軍家のお墓”を墓じまいする理由とは」https://bunshun.jp/articles/-/67882#goog_rewarded
子孫が辛い思いを
教科書に出てくるような偉人のお墓には歴史的や文化的価値がありますが、それを維持するコストを個人が担うことはとても容易な話ではありません。
戦前までならお墓にお金をかける一般国民は少なかったはずなのに、それ以降は誰もがお墓を建てるものになりました。
しかし今になって続けられないとお墓を手放す人が増えています。
いかに存続していくのかそれともしないのか、どんな故人のお墓であっても墓じまいは子孫の生活にも影響する大きな問題です。
春分以降は引越しの季節

私が22日に行ってきたお墓は母方のものであり、書かれてある家名を継ぐ者はもういません。
厚生労働省によると、墓じまいを含む改葬の数は2023年度で16万件で過去最多。
神戸市の市立墓園では、新たに使用される区画の数よりも墓じまいなどで返還される区画の方が多いとのこと。
「思いも寄らぬ引っ越しを迫られては永遠の眠りにつくこともままならなくなる」との先祖の声がもし聞こえたら、「春眠暁を覚えず」の言葉で返すしかありません。合掌。
☆R7.3.17付け朝日新聞「天声人語」https://digital.asahi.com/articles/DA3S16171579.html?iref=pc_rensai_long_61_article