外来魚が美味しければいいのに

 2017年8月の虚構新聞に、琵琶湖についての記事がありました。

 これは在来種を捕食しようとする外来魚から重要な水産資源である甲殻類や魚類を守るための滋賀県の施策が紹介されています。ただし「ぜんぶ抜く」の部分はおそらく虚構です。

☆虚構新聞「琵琶湖の水ぜんぶ抜く 外来魚駆除に排水の陣」https://kyoko-np.net/2017082301.html
☆滋賀県ホームページ「外来魚駆除対策事業」https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/suisan/18681.html

目次

特定外来生物駆除の必要性

 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)により、特に問題の大きい外来種は「特定外来生物」に指定されています。
 原則として飼育・栽培・保管・運搬・輸入・譲渡が禁止されています。
 もし外来魚が在来の魚類や生物を捕食したり餌を奪ったりすると、生態系のバランスが崩れます。
 その結果在来種の個体数が減少し、場合によっては絶滅の危機に追い込まれます。

 例えばブラックバスやブルーギルは日本の多くの河川や湖で在来の小魚を激減させ、水鳥の餌が減るなど陸の生態系にも影響を及ぼすことが指摘されています。
 養殖されている魚やアユなどの伝統的な漁業の対象となる魚が捕食されてしまうと水産業に直接的な被害を与え、伝統的な漁法や漁業文化(鵜飼いやヤナ漁など)にも影響を及ぼします。

 そんな外来魚たちを駆除することができれば在来種個体数の回復が期待されるのです。

愛情も込めて

 2023年11月に公開された映画「飛んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」の中でGACKTが演じる麻実麗の「琵琶湖の水を止める」というセリフがありました。

 琵琶湖は近畿地方の水がめと言われており、その水は淀川をつたって京都府と大阪府を通り大阪湾へ流れていきます。

 住民投票にまで盛り上がった大阪都構想が破談となってしまったことで、片岡愛之助演じる大阪府知事はその腹いせからか「全国大阪植民地化計画」を企みます。

 その企みを埼玉解放戦線メンバーの麻実麗は危惧し、琵琶湖からの水を止めることで大阪名物である粉物の原料「粉の実」の生育を阻害して計画を頓挫させようとするのです。

 映画での「琵琶湖の水を止める」というセリフはおそらくテレビ番組を逆手にもじったものか、もしくは大阪府と京都府に対して滋賀県がマウントをとる慣用句とも言われています。

☆映画『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』公式サイト https://www.tondesaitama.com/
☆緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦 | テレ東・BSテレ東 7ch(公式) https://www.tv-tokyo.co.jp/ikenomizu/

  • 琵琶湖の水を止めれば植民地計画は頓挫しマウントをとれるが、外来魚がのさばる。
  • 琵琶湖の水を抜けば外来魚を駆除できるが、マウントを失って大阪の植民地へ。

 よそ者だからと好き勝手に言わせてもらっています。

県単位でがんばっていますよ

 駆除活動は日本の自然環境を守るための重要な取り組みです。
 日本の生態系や社会に悪影響を及ぼしている外来魚については、その被害を最小限に抑えるために長年にわたり駆除が必要とされてきました。
 しかし駆除にかかるコスト・労力、そして駆除された魚の処分方法などが懸念されます。一度定着してしまった外来魚を完全に根絶することは非常に大変です。

 滋賀県では駆除作業は継続的に行われており、それによって減少している効果が現れているようです。

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