中世にもあった相続土地国庫帰属制度

 人が亡くなった後に残される相続人に対して、現代は相続税という税金が計算されます。

 ですが、それと似た「死亡税」というものが中世ヨーロッパにあったそうです。

 これは相続を行うために課税されるもので、納税をすることで領主から相続が「許される」という考え方に基づきます。

 本当にそんな税金があったのかとインターネットで検索してみましたが、出てくるのは百科事典・大学教授のとても長い論文・ブログばかり。

 これまでこのブログで作ってきた流れを鑑みると、これを根拠に文章は作りたくありません。

 この場でよりどころにし得るものが上に挙げた「税の学習コーナー」しかないということに違和感を感じます。

☆国税庁「税の学習コーナー・Zei君の税金クイズ」 https://www.nta.go.jp/about/organization/kantoshinetsu/cgi-bin/quiz/quizindex.cgi

目次

嫌々貢納してます

 中世ヨーロッパの封建社会では「Heriot(ヘリオット)」という習慣があり、農奴や臣下が死亡したときは領主に対して最良の家畜や装備などを死後の貢納品として納める義務がありました。

 故人が「生前に借り受けていた土地や装備を返却する」という考え方に基づいて納めます。

 故人の魂の救済のために教会へ死後の贈り物を寄進する慣習でしたが、地域によっては社会的圧力によって実質的にほぼ義務化されていました。

教会への贈り物は義務?寄進?

 中世キリスト教社会では、死後の魂の行方は生前までにどう振る舞っていたかで決まると信じられていました。

 そのために遺族は教会に土地以外に金銭も寄進し、故人の魂の救済を願ったのです。

 中世のこれらの義務は慣習・宗教的信念・封建的契約の関係に基づくものでした。

相続は認めていただくもの

 一部の都市では故人の遺産を次世代が正式に継承するために、都市当局や領主に承認料を支払う必要がありました。

 これも制度化された税とは異なりますが、死後の財産移転に伴うコストとして課されていた点では共通しています。

相続税と似て非なる死亡税

 現代において死亡税と言えるものは、政府が法に基づいて課す相続税や遺産税です。

 しかし中世では慣習・契約・宗教的義務によって生じたものであり、税制としての整備はなされていませんでした。

 財産に課税されるわけではありませんが、死後に財産の一部が強制的に移動するという意味ではたしかに死亡税のような要素があったことは間違いありません。

 現代の相続税は法律に基づいて政府が課す税金です。

 死後に財産の一部が強制的に移動するという点では、現代の相続税と類似した側面も持っています。

もし要らないなら死亡税ということで

 この記事を通して「中世にも死亡税はあったのか?」という問題に対して、「(制度としての税は無かったが)同様の義務は存在した」という答えをお届けしました。

 国税庁のホームページのクイズで「死亡税という税金があった?正解は〇。」とはっきり書かれていましたので、解説は簡単でしたけどこんな様に調べたのでしょうね。

☆法務省民事局「相続土地国庫帰属制度について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html

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