理容店に限らず事業者の大半はその事業が軌道に乗ってくると、経営の安定や拡大を計るべく事業資金の借り入れを検討する必要があります。
そこで今回注目したいのが「経常運転資金」です。
クリスマスケーキ予約受付中

食品全般の卸売りを営む宮坂さん。
得意先として常連であるケーキ屋の田島さんから「ケーキの材料として小麦粉を買いたい」との注文が入ったので、こちらも常連の製造加工業者である見浦さんから小麦粉を仕入れました。そしてその小麦粉をケーキ屋の田島さんに納品。
その結果宮坂さんのお店は、小麦粉という材料を買う側にも売る側にもなります。
入金はまだ?
商品代金の支払いや入金は、「買掛金」や「売掛金」という名前であらかじめ決めた日(例えば毎月月末)に行うという習慣があります。
常連同士である田島さんや見浦さんとの3人で頻繁に取引をしているのであれば、その都度お金のやり取りをしていては面倒だからです。
しかし、常連同士であっても買掛金や売掛金の決済が同じタイミングとは限りません。
次の売掛金の入金の前に買掛金の支払い期日が到来することもあります。
逆に売掛金の入金が先であっても、その後の買掛金の金額が大きければ全額を払いきれません。
早く買掛金をどうにかしなきゃ
あらかじめ手元に買掛金相当額の資金があれば、売掛金の入金を待たずに買掛金の支払いを済ませることができます。
資金が足りなくなる見込みが立った時点で、事前に金融機関へ借入れを申し込んでみてはいかがでしょうか?
ここで最低限必要となるであろう金額は「売掛金と買掛金の差額」です。
これを「経常運転資金」と言います。
もし棚卸資産(在庫)があればその金額は経常運転資金に加算して考えます。
計算方法
どうしてこのような計算になるのかというと、
・「売掛金」と「棚卸資産」
お金がなかなか手元に入ってこない。
すでに納品しているのに入金日まで待つのが長い。
早くお金が欲しいのに、これから大丈夫かな?
・「買掛金」(売掛金や棚卸資産とは全く逆)
お金が手元からすぐには出ていかない。
仕入れたのに支払いを待ってくれる。
まだ支払いしなくていいから気が楽。
この経常運転資金(両者の差額)が小さければ小さいほど支払いの遅延の可能性が小さくなり、資金繰りの見通しがしやすくなります。
さらに買掛金の方が逆転してマイナスになればなるほど、支払いの期限が充分確保できるようになります。
そうなれば資金繰りどころか、資金を借りる必要さえ無くなるかも知れません。
あわてん坊のサンタクロース

宮坂さんは取り急ぎ必要な資金として、買掛金相当額の融資を急いで申し込みました。
期限の近い買掛金を返済することだけを真っ先に考えていたからです。
すると銀行から言われました。
「ちゃんと足りますか?」「売掛金はこれからすぐに入ってくるんですか?」と。
「経常運転資金」とは買掛金の金額だけではありません。
売掛金が入金されるまでの固定費などの資金繰りまでを見越しての金額なのです。
宮坂さん、銀行の窓口でそれを聞いてビックリ。
椅子から滑り落ちてしまって、周りから注目の的になってしまいました。
銀行は噛みついたりしません

銀行はまずこの考え方を融資金額の目安としていると言われています。
そして別の観点として、平均月商の2ヶ月から3ヶ月分を「経常運転資金」とするところもあります。
皆さんも常連の取引相手と良いクリスマスと仕事納めを迎えられるよう、転ばぬ先に見える杖を頼ってみませんか?