先月、何年も前に宮坂さんが使っていたものとまったく同じナンバーと車種の自動車を見つけました。
宮坂さんと私はしばらく連絡を取り合っていませんでしたので、どうしているのかなと思っていたところでした。
ところがです。
一瞬「数年前に生き別れた宮坂さんはどっこい生きていた」と安心したのも束の間、運転していたのは宮坂さんとは全然違う綺麗な女性。
ナンバープレートが変わっていないのに実際の使用者が変わることはあるのでしょうか?
あくまで使用させてもらっているだけ

自動車の車検証には所有者と使用者の2つの名義があります。
「所有者」は車の売却や廃車などの権利を持ちます。
自動車は高価な資産であるため、誰がその車の所有権を持っているのかを明確にする必要があります。
そのために車検証の所有者欄に記載することで、その車の所有権を持つ人として明確にしています。
それに対して、実際に車を日常的に使用している人が誰なのかを把握するために「使用者」の欄が設けられています。
使用者は車検や日常のメンテナンスなど、車の維持管理に関する責任を負います。
所有者と使用者が異なるケース
ローンで購入した場合は、ローン会社が所有者で購入者が使用者となります。
特にローンで購入した場合などは、完済するまでローン会社が所有権を持つことが一般的です。
これを現金一括で購入した場合や返済途中に繰り上げ返済すると、購入者が所有権を取得して「所有者=使用者」となることができます。
親が購入した車を子供が使用する場合、親を所有者にして子供を使用者として登録することもできます。
社用車を業務で使用する場合、所有者を会社として使用者を従業員とするケースがあります。
その車の実際の保管場所を従業員の賃貸住宅敷地内とする場合に、車庫証明の要件を満たすために「使用者」を従業員名義とするのです。
そして万が一交通違反や事故が発生した場合は、誰が責任を負うのかを明確にするために所有者と使用者を区別しています。
従業員が業務中に社用車で事故を起こした場合、車の所有者である会社は「運行供用者責任」を問われる可能性があります。
使用者を従業員とすることは、会社にとっては慎重な検討が必要でしょう。
☆カーセンサー「車検証の所有者と使用者ってなにが違う?」 https://www.carsensor.net/contents/qa/category_454/_7298.html
☆イエローハット「車検証の所有者が自分でない理由とは?」 https://www.yellowhat.jp/column/inspection/091/index.html
税金はあなたが納めてくださいね
自動車税の納税義務者は原則所有者となりますが、買主(使用者と同一であると思われる)とのローン契約が残っているために所有権が留保されている場合には買主が納税しなければならないこととなっています。
地方税法第146条第1項「自動車税は所有者に課する」
地方税法第147条第1項「買主を所有者とみなす」
あの時運転していたのは誰?

宮坂さんはどうにかしてローンを完済して、自らが所有者となって売却したのかもしれません。
所有者の名義変更なら誰が運転していても不思議はありませんから。
それとも私が見かけたのは本物の宮坂さんであって、似ても似つかぬ綺麗な女性だと思い込んでいただけかもしれません。