先日「税金制度は資本主義社会の光だ」という言葉を見ました。
この言葉からは、税制には資本主義を支える大きな一面があるのだと考えることができます。
☆国税庁「税に関する高校生の作文」
学校法人新潟明訓高等学校1年生(当時)阿部由佳さんの作品
https://www.nta.go.jp/taxes/kids/sakubun/koko/r04/sakubun.htm#kyoku03
税制は資本主義のために
例えばお金持ちから税金を多く集めて、困っている人を助ける仕組み(所得再分配)により社会の格差が極端になりすぎることを防いでいます。
また税金で道路や学校を作ることで、みんなが経済活動をしやすくしています。
しかし一方で、税金の徴収を行うことは本来自由であるはずの市場に政府が口を出すことでもあります。
もし極度に税率が高すぎたりすると、納税者は新しい会社を作ったり投資したりする気持ちが萎えてしまうかもしれません。
どこで税金が必要か



そもそもどんなことで税金が必要になるのでしょうか?
個人では用意できないみんなで使うものがあるからです。
- 生活に必要なもの:道路、水道、電気
- 安全を守るもの:警察、消防、軍隊
- 未来のためのもの:学校、病院、研究機関
- 困った時に助けてくれるもの:失業保険、年金
これらは一個人や一つの会社では作れませんし、維持もできません。
だからこそみんなでお金を出し合う税金という仕組みが生まれたのです。
☆税の学習コーナー「身近な税の使いみち」 https://www.nta.go.jp/taxes/kids/nyumon/page05.htm
税制は資本主義国だけのものじゃない
ただし、税制は資本主義の国だけにあるものではありません。
昔のソビエト連邦や東欧の社会主義国にも税金はありましたし、中国の社会主義市場経済にも税制があります。
もし完全な共産主義社会ができたとしても、みんなで使う施設やサービスのお金は必要になるはずです。
つまり税制はどんな経済体制でも必要になる基本的な仕組みであり、社会を運営するための「道具」だと考える方が適切です。
そうなると本当に大切なのは、どの経済体制に合うかではなく「どんな税制が良い税制か」ということになります。
良い税制の条件として考えられるのは、
*みんなが納得できる公平な負担
*経済活動を邪魔しすぎない効率性
*税金の使い道がはっきりしている透明性
*複雑すぎず理解しやすい簡潔性
まるで社会科のテストみたい

「ロシア共産党」「中国共産党」「朝鮮労働党」という言葉がニュースに流れることはあっても、最近はどこが社会主義国かとかという区別をあまり耳にすることがなくなりました。
それでも上記のような政治団体があるということは、おそらく社会主義はまだ存続していると私は認識しています。
だからこそ税制については「資本主義か社会主義か」という枠組みを超えて、社会をより良くするためにはどの国にも必要な仕組みとして考えてみることが大切でしょう。
お互いに参考になったり助け合える部分がないものか。