ポケベルこと「ポケットベル」は1968年から始まり2007年まで運用されていた電子機器で、1987年からは回線電話から送られる数字をその機器で受信できるようになりました。
公衆電話を使って番号を送ることもあったため、そこには行列ができることも。
サラリーマンをしていた父親も持っていましたので、仕事では必需品だったのでしょう。
イイクニ作ろう平安京
10桁の電話番号としてだけではなく、少ない桁数でも送ることができました。
当時使われていた数字でのメッセージのうち、
- 「4649」を「よろしく」
- 「49」を「至急」
- 「999」を「サンキュー」
これはなんとか理解できますが、
「114106」を「愛してる」とは読めません。 いい史十郎? こんな数字で愛が伝わるか!
と反感を持っていた私でしたので、ポケベルを使用することは全くありませんでした。
スミマセーン、生1杯!
今では医療施設や飲食施設において、他の施設と混信しないように極々小さな電波で使われています。
数字の表示は無くなっても、連絡を取り合うという使い方は昔と同じ。
何のコードも繋がっていないのにどうして呼び出しをしたり受けたりできるのか、ずっと不思議になっていました。
実はこの性能はポケットベルを継承したものであるのだと想像すると、永遠に待たされることのない現代に生まれてきてよかったー。
総務省「情報通信白書 for kids」 https://www.soumu.go.jp/hakusho-kids/life/what/what_11.html
そんなことまでよく考えつきますね
先月、レバノン国内にてポケットベルが各地で爆発。
国内にいるイスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーやその周辺にいた住民の多数が死亡及び負傷しました。
組織内でポケットベルが支給される前に爆薬を仕込ませて、決められたテキスト文字を受信させた後に機器を起動すると爆発する仕掛け。
組織内で通信をするなら携帯電話やスマートフォンで良さそうですが、通信が傍受されることを避けてポケベルを使っていたと言われています。
ですからヒズボラの人たちは、仲間たちとの通信をポケットベルのような小型で弱い電波機器に大きく頼っていたのです。
イギリスBBCニュース https://www.bbc.com/japanese/articles/cpdqvye5pw0o
ピロピロピロ
ポケベルはまだまだオワコンではありません。
あなたの周りにも海の向こうでも、様々な立場の中で息づいています。
ポケベルの着信音を聞いたことのない方も、ピンポーンという音が聞こえてきたらこの話を思い出してください。