ある日の夜、どこからか長くて低い破裂音が何度も聴こえてきます。
山のお怒り?それとも…
宮坂さんが聴いたその音は周辺の山々からのようで、とてもとても恐ろしい響きでした。
ベランダから山々を見渡しても何か景色が変わっている様子はありません。
反対側の玄関でドアを開けるとその音はさらに大きく聴こえます。何となく圧力も感じます。
しかし玄関側も景色が変わっていません。
それが小1時間続いているのに、テレビやラジオもスマートフォンでも何事も無いかのよう。
「ここは日本だ」「何かの勘違いでありますように」と願いながら、灯りを消して眠りにつきました。
公園もお怒り?
次の日の朝をいつもより早く起きた宮坂さんは、近所でどんなイベントがあったのかをインターネットで探してみました。
するとすぐ近くの公園で何千発もの打ち上げ花火が上がっていたとのこと。
たしかにイベントが終わった後に花火の打ち上げがあるという広告を、街で見かけていました。
日本全国の花火大会を渡り歩いてきたと言われがちな宮坂さんでも聴いたことのない、あの「長くて低い破裂音」は何だったのか?
やまびこまでも
今回は最初に見たベランダとは逆にあたる、玄関先の近隣マンションの向こう側からの花火でした。
花火の破裂音はベランダの向こうにある山々にぶつかった後に、まるで「やまびこ」のように宮坂さんがいるベランダに返ってきます。
音が長く感じたのは、山にぶつかる前の音と後の音が一時重なるタイミングがあったためだと考えられます。
当然距離もありますので、聴こえてくるまでの間に低い音にもなるのでしょう。
あたりどころの無い宮坂さん
音楽ホールは様々な設計を用いて、楽器や音声が響きやすいようにしています。
床や壁が固い素材で作られてあれば、浴室でも音がよく響きます。ついカラオケのように一曲入れたくなるところ。
花火を観に行けなかった宮坂さんは花火に負けじと、今夜浴室にて大歌謡祭を開催することでしょう。
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