かーちゃーん、小遣いちょうだい

 私は中学生になって以降、通学時に財布を持って行くようになりました。

 通学で交通機関を使うようになったり昼食を買うようになったからです。

 親とのお小遣いの制度があっても、当然財布の中のお金は減っていきます。

 そうなれば親に言ってお恵みを乞います。

 「まだ大丈夫でしょ!」と言われたならば、もらえるまで待とうホトトギス。

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久しぶりだな宮坂、飲みに行こうぜ

 宮坂さんは高校を卒業し就職をしたことで、収入源は親から社会に変わりました。

 その初任給の支給直前に上司に言われた言葉の一つが「サラ金には手を出すな」でした。

 いったんでも借金をしてしまうと、高金利がかさんでいつか返済できなくなるというのです。

 それなのにある日、宮坂さんは元同級生に食事を誘われた際にカードローンを利用したのです。

 その元同級生には「現金の手持ちがない」「夜遅いからATMも開いていない」と伝えたにも関わらず、「デパートのATMでローンのカードを作ればすぐ借りられる」と言われてしまいます。

 言われるがままに3万円を引き出しました。まるで残高のある自分の口座から引き出すように。

 しかし明らかに預金口座ではないところから引き出したのですから、借りていることには違いなかったのです。

かがみの孤城

 就職の後に簿記を学んだことがきっかけで、資産と負債の関係を考えられるようになりました。

 簿記会計の世界にある貸借対照表という図は、左半分(借方)にある資産に対して右半分(貸方)に負債が位置付けられています。

 資産として一番わかりやすいのは、学生の時まではお小遣いだった財布の中の現金。

 もし土地や建物を所有していれば、それもはっきりと見て取ることができます。

 これを勉強し始めた時、私は簿記に対してこのようなイメージを持ちました。

 *「資産とは裕福さを実感できる財産」

 *「貸借対照表を見てわかるとおり、資産と負債は中央のラインを境に左右相対するもの」

 *「そうであれば、資産の真逆に位置する負債は裕福であろうとすることを否定している」

 *「だから負債は少しでも小さく、できれば借金はしないでおくべき」

 事業継続のための銀行融資の必要性を考えるようになったつい昨今まで思っていたことです。

負債は敵かな?味方かな?

 簿記を勉強し始めた前後から、「負債は悪だ」と思うようになりました。それは何故なのか。

 借金をしてしまうと高金利がかさんで、いつか返済できなくなるということが頭の中で強調されてきたからです。

 だから「借金はしてはいけないものだ」と考えるようになったのです。

 しかし、本当に考えるべきことは資金の使途と利率なのです。

 未来の仕事のために借りるのか、それとも今後につながるかわからない飲み代や衣服代に使うのか。

 利率はどれだけ高いのか、そして低いのか。

 お小遣いのことを親に相談するなら、せめて「試験勉強の問題集を買いたいから」とでも言いましょう。

 親御さんも喜んでお金を出してくれますよ。

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