言葉は変化を重ねる

辞書に無い言葉を作ってはいけないという法律はありません。

それは太古の時代から誰も変化を止めることはできないから。

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ペンパイナッポーアッポーペンも

 言葉を作るなら二つの言葉を掛け合わせるのが常套です。

 井上陽水「少年時代」より

 なびく「風」 + 春に咲く菊(きく)科の植物「あざみ」 = 「風あざみ」

 夕方日暮れの「宵」 + 火を焚くためのかご「かがり」 = 「宵かがり」→キャンプファイヤー?

 こういう想像を掻き立てられるのが「いとをかし」です。

言葉を作る勇気

 時代を遡って今から振り返れば、想像できないような言葉もあるでしょう。

 紫式部の源氏物語「いとおかし」の「いと」とは「とても」の意味。

 「おかし(い)」は今なら「変だ」とか「妙だ」とかの意味ですが、紫式部の「源氏物語」では「いとをかし」と表記して、とても興味深いという意味で使われています。

 江戸時代の人形浄瑠璃作者井原西鶴は「西鶴諸国ばなし」では、「みばれ」は身の疑いが晴れるという意味です。

 今だったらXなどのアカウント(身分)がバレる「身バレ」。でも本当は身分ではなく嘘や隠し事が露見する意味のようですが。

 大切なのは意味が想像できるようなものになるかどうかです。

芸能・マスコミ業界では倒語(とうご)

 江戸時代からある隠語の一つです。

ここで言う「チャンネー」とはこういうイメージ?

 「姉ちゃん」を逆さにして「チャンネー」と言われても、これが不思議と理解できてしまいます。

 もしかして倒語かなと思ったら、もう一度ひっくり戻せばいいのですから。

 中国語の声調でいう第一声のように高い音で発音するところが、倒語と共通しています。

 発音しやすい音だと印象に残りやすいです。

創造力も必要

 「Google」や「GReeeeN」のような言葉はどうやって作ったのでしょう?

 おそらく、造語を先に作ってからその言葉をロゴマークに仕立てたのでしょう。

 ひょっとしたら逆の発想で、ロゴマークにできそうな絵を決めてからそれを造語としたのかも。

 マークから決めるのはかなりの難易度ですが、嘘でもいいから「ロゴマークから考えましたよと言ってほしいな」という期待もあります。

韻を踏む、短くシンプルな言葉

 辞書に載っていない新しい言葉を作るには、その言葉が持つ意味や用途をしっかりと考慮することが必要です。

 そして、文学・音楽どちらにおいても想像力と音の響きが大切だと思います。

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