長いものに巻かれて縛られるのはイヤ

母からの勧めで吹奏楽部に入部し、高校生になって本格的に始めました。

そして、高校を卒業した後も職場や地域の楽団に参加して音楽活動を続けていきました。

しかしコロナ禍が拡大してからはまったく活動を続けられていません。

今回はそれまでのことを少し思い出してみます。

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人は大勢集まればいいとは限らない

 音楽の中のジャンルのひとつに「吹奏楽」というものがあり、それは「大人数でやるもの」という一般的な考え方があります。

 たしかに大人数が集まれば迫力のある演奏ができるでしょう。

 ただし国全体の若者の人口が減っているのですから、当然吹奏楽を続ける人口もこれから減っていきます。

 それなのに「大人数でやるもの」という考え方から、最初は一つの楽団として活動をしてきたのに「これとこの楽器パートが足りないから」と言って外部から人員を確保しようとするところが増えてきました。

演奏は息を合わせて

 なんとか人数を確保できたとしても次に起こる問題は、吹奏楽の文字通りの「く息を合わせること」が難しくなることです。

 それは息を使わない打楽器の奏者も御多分に漏れず、息を合わせなければ音を出す瞬間が揃いません。

 長く一緒に演奏してきたメンバー同士であってもうまくできないことがあるのに、急に呼ばれてきたメンバーと息を揃えるのはそう簡単にはいきません。

 それだとその曲に思い描く感情を込められた演奏ができるとは思えません。

20年来の趣味特技を封印

 悲しいかな、今は復帰の機会を失っています。

 参加人数が多い方がいいのか少ない方がいいのかはコロナ禍の前から考えていたことです。

 自分から練習の参加を呼びかけて自分しか来なかったとしても、この事実をいつか誰かが知ってもらえればいいと。

 そして、音楽活動とは人数が問題ではないということを。

 コロナ禍が始まってからは感染予防のため、私もやむなく自粛しました。

 最近になってコロナが気にならなくなってきても、先に述べたような「大人数でやるもの」の勢力拡大路線をまた見せられるのではと思うと、「大人数」の中ではいまだに気持ちがついていけそうにないのです。

これからまた復帰していくためには

 フレキシブルとは「柔軟な」という意味の形容動詞。

 そういうフレキシブルの形式で作られた譜面も販売されるようになりました。

 よく知られている曲が少人数でも演奏できるように作られた、柔軟で融通が利く譜面です。

 従来の譜面は何十人ものの人数で演奏する作りになっているものがほとんどだったので、人数が足りていないまま演奏すると曲の場所によっては音が無くなってしまうのです。

 つまり、こちらは融通が利かない譜面。

 人数の少ない楽団でも吹奏楽はできるはずです。

 これは吹奏楽に限らず、人数の多少よりも息のまとまりや楽団員のつながりを重視するような考え方があってもいいのではないでしょうか。

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