当時の若い年代に流行っていたと言われる「自分探しの旅」。
宮坂さんは高校を卒業してすぐに、そんな旅のことを考えるようになりました。
ある日、まるで乗り鉄かのように列車の時刻表を見ていた時のことです。
「京都からJR山陰本線に乗って山口県の下関まで行くのに、乗り換えは何回必要なのか?」
「山陰本線は本当にずっと日本海沿岸を走っているのか?」
「広大な日本海は自分に何を教えてくれるのだろう?」
だとか。
☆朝日新聞「京都から下関まで14時間半 偉大なるローカル線に乗ってみた」 https://digital.asahi.com/articles/ASQ3L451JQ39PTIL032.html
かつて流行った自分探し

1990年代は自分探しの旅が流行していました。
特にインドへ向かう旅人は日本の常識が通じない異文化の中でショックを受けることで、本当の自分を見つけようとする動きが多く見られました。
しかし現在ではそうした旅は減り、インターネットの普及もあってか他の方法で本当の自分に近づけるかが模索されるようになっています。
自分は善人である
心理学的に興味深いのは、本当の自分には道徳的で善良だという共通イメージがあることです。
悪い行いをしているときは「本当の自分から外れている」と感じ、善い行いをすると「自分らしい」と感じる人が多いのです。
本当の自分像は、人生の意味や行動選択にも大きく影響します。
本当の自分は幻想かも

科学の視点では、本当の自分という明確な存在は確認されていません。
心理学者でさえ「探しても本当の自分はどこにもいない」と指摘します。
誰もが心のどこかで「自分は善人である」と信じたい気持ちは理解できますが、それが幻想である可能性があることも忘れてはいけません。
価値観の再確認
では私たちはなぜ自分探しを続けるのでしょうか。
それは「自分らしさとは何か」「自分にとって大切な価値観は何か」を確認するためです。
私もたった今思い出しました。就職してからこんな旅をしてみたいと思っていたことを。
それは524ヶ所ある「日本全国税務署巡り」(抱き合わせで、国税庁・国税局・沖縄国税事務所も)。
☆国税庁「国税庁の機構」
https://www.nta.go.jp/about/introduction/shokai/kiko/kikou.htm
ほんの少しでも転勤の可能性があるのだから、転勤する前に一度は見ておくべきだと。
これも私にとっては、当時考えていた自分探しの旅のひとつ。
どこかにある自分を探すのではなく、今ここにいる自分と向き合うこと。
それこそが現代における本当の「自分探し」でしょう。
