せっかく褒めてあげようとしたのに(多汗症と脂漏性皮膚炎)

 皆さんが子どもの頃に何かを頑張って褒められたりしたときに、頭を撫でられたことはありませんでしたか?

 そんな時は大抵の場合嬉しくなったり照れくさくなったりしたと思います。

 後輩の宮坂さんは昔から褒められることがあまり多くありませんでした。

 そんな宮坂さんが珍しく先輩の私に親切にしてくれたので頭を撫でようとしたら、宮坂さんにサッと頭を背けられました。

 若干のコミュニケーションも込めようとしたつもりだったのでその態度に違和感を持ってしまいましたが、よくよく話を訊くと「触ったら手がベタつきますよ」と言うのです。

 気温や湿度が高くなるこれからの季節は汗と同じように皮脂の分泌量が増える傾向にある一方、夏場でなくても頭皮が乾燥を防ぐために肌を守ろうとして皮脂が過剰に分泌されることもあります。

 その頭皮で皮脂が多くなる原因がいくつか考えられます。

AGAヘアクリニック
【医師が教える】常在菌が頭皮を守る? 菌が頭皮に与える影響とは | AGAタイムス Powered by 医療法人則由... 皮膚や頭皮に潜んでいる常在菌はバリア機能を担っているため、人体には欠かせないもの。しかし、無数に存在する常在菌はバランスが崩れると頭皮環境の悪化やかゆみ、フケな...
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ホルモンバランスの乱れ

 男性ホルモンには皮脂腺を活発にする働きがあります。

 思春期・ストレス・生活習慣の乱れなどによってこのホルモンのバランスが崩れると、皮脂の分泌量が増えてしまいます。

 女性の場合でも生理周期・妊娠・更年期などでホルモンのバランスが変動してしまうと皮脂が増えることがあります。

頭皮の常在菌のバランスの乱れ

こんなことしたことないです

 気温や湿度が高くなり汗で濡れた状態になると細菌や真菌(特にマラセチア菌)の繁殖を促します。

 それらの菌は皮脂を分解してしまうので頭皮は外部からの刺激を受けやすくなり、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。

 そのままだと脂漏性皮膚炎などの皮膚炎を引き起こしてしまいますので、それを防ごうとして不足した皮脂を分泌しようとするのです。

誤ったヘアケア

 洗浄力の強すぎるシャンプーを使うと汚れ以上に必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥を防ごうとしてかえって皮脂が過剰に分泌されてしまいます。

 シャンプーのすすぎ残しがあると毛穴が詰まりやすくなり、そこに皮脂も溜まりやすくなります。

 熱すぎるお湯で洗髪することも頭皮の乾燥を招き、それに対抗しようとして皮脂の過剰分泌につながります。

ストレス

俺のことは心配しなくていいから!

 これはさまざまな場面で聞く話ですが、ストレスを過剰に感じていると自律神経のバランスが乱れてそれがホルモンにも影響を与えていることがあります。

 そうだとすれば、皮脂の分泌が増えている理由はストレスにある可能性が高いのかも。

 私からのプレッシャーにストレスを感じているせいで宮坂さんの頭皮の皮脂が過剰に分泌しているのかと考えると、いたたまれない気持ちになります。

 皆さんもご自身の生活習慣やヘアケア方法などを振り返ってみて、当てはまる原因がないか確認してみてください。

 もし気になるようでしたら、ストレスの原因となっている同僚や上司に訴えるか皮膚科を受診して相談をしてみることをお勧めします。

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