宮坂さんはいつも仕事と趣味で大忙しだと思いきや、頭の片隅ではお父さんの最期のことを思っているようです。
ただどのように心の準備をしていけばいいのかがわからないと言っています。
というわけで宮坂さんに代わって、喪主をすでに2回経験してさらにまだ母が健在の私からお伝えできることを書き出してみました。
まずはお見舞い申し上げます

ご親族が亡くなられた際、見送る側は哀しみにくれてしまうかもしれません。
しかしまずは葬儀社・親族・関係者への連絡を速やかに行ってください。
その場に立ち合ってくれた人に代わってもらってでも電話をしてください。ズバリ「親族(父や母など)が亡くなった」と。
もしそれまで何ともなくても、この瞬間で感極まりそうになるかもしれません。亡くなったことを初めて他人に話すのですから。
先方の葬儀社の方はきっと慣れていますから、できるだけ毅然と伝えましょう。
死亡診断書は医師がすぐに作成してくれます。
ここから先は葬儀社との相談を進めていけば、きちんと教えてもらえます。
参列者が大勢来るかもしれない
送迎を受けて葬儀社に到着すると、お通夜や告別式をどのように執り行うのかそしてそもそもそれを行うかどうかを、喪主(通常は一番故人と関係が近い人)の意向により決めていきます。
故人の遺志がすてにあったならばそれも尊重したいところです。
その選択肢の一つに「直葬(ちょくそう)」というものがあります。
これは通夜や告別式などの儀式をせずに、火葬のみを行う葬儀の形式です。密葬とも呼ばれます。
特徴は、宗教儀式や親戚の弔問を受けずに家族だけでしめやかに弔えるところです。
そのため葬儀費用を抑えられます。
親族の理解や菩提寺の承諾を得ておきましょう。
☆小さなお葬式「死亡後に必要な手続き」 https://www.osohshiki.jp/column/sougi/category7/
高級リムジンは喪主優先

火葬の許可を得るために行う役所への死亡届の提出は7日以内となっていますが、私の場合は葬儀社による代行によって翌日の告別式前後にはすでに死亡届の提出及び火葬の許可証が発行されていました。
一般的にもこのような手順と言われています。
火葬場の予約も葬儀社でとってくれますので、参列者はあの黒くて長いリムジン霊柩車とマイクロバスに分乗して火葬場に向かいます。
不思議なことに、火葬場はいつ行っても混み合っています。
予約の時間になると館内放送で呼び出されて決められた火葬炉の前に向かいます。
喪主の手による「ポチッとな」で点火。
その後再び小一時間した後に火葬炉の前に向かうと、想像以上にちっちゃくなって戻ってくるのです。
☆北九州市「斎場のご案内」 https://www.city.kitakyushu.lg.jp/contents/18900158.html
俺の葬式は直葬でいいからね

宮坂さんのお父さんはずっと以前から直葬を望んでいたそうです。
しかしそれを言われた時の宮坂さんは直葬の意味をわかっていませんでした。
その場ですぐに「それって何?」と訊けばよかったのに。
お父さんの遺志に抗っているような印象を与えたくないと宮坂さんは考えてしまい、「ふーん」の一言で誤魔化していました。
宮坂さんにとっては、お父さんの遺志に報いたかった気持ちの裏返しだったのです。
そして、それを調べてしまうことに寂しさを感じていたのでしょう。