日本相撲協会は29日、臨時の理事会で大関豊昇龍関の横綱昇進を決定しました。
☆NHK NEWS WEB https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250129/k10014706251000.html
国技である相撲においての横綱とは最強の力士であり、さらには「土俵の象徴」として特別な存在感を持っています。
ただ最近の横綱はそれほどの圧倒さが感じられず、最強や象徴とは言い難いのです。
これは横綱に限りませんが、ケガで苦しんでいる姿を見た時のその印象が要因かと思います。
今月の初場所で引退を決めた照ノ富士関は、横綱昇進後21場所のうち12場所を休場。優勝は6回という成績でした。
しかし、横綱力士は毎場所必ずいなければならないのでしょうか?
横綱の役割

横綱は土俵上での圧倒的な強さだけでなく、品格や品位を兼ね備えた存在とされています。
そのため強さだけで昇進できるものではなく、人格において模範となる存在でなければなりません。
そして横綱には降格が無いとされ、あとは現役続行の意思が続くまでは横綱の立場は失われません。
横綱不在の時期
相撲界には横綱が不在となった時期が存在します。
1992年5月場所では北勝海が現役を引退して、翌年1月場所後に曙が昇進するまで4場所にわたり横綱不在が続きました。
☆gooニュース「本当は照ノ富士を倒して上がってきてほしかった」八角理事長 https://news.goo.ne.jp/article/postseven/sports/postseven-2020053.html
☆大相撲パラサイト「横綱の時代」https://sumopara.jimdofree.com/%E7%9B%B8%E6%92%B2%E8%A7%A3%E4%BD%93%E6%96%B0%E6%9B%B8/%E6%A8%AA%E7%B6%B1%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A3
横綱にふさわしい力士がいない場合は無理に昇進させないという認識機能があったからでしょう。
横綱不在の影響

横綱が不在となると相撲界における「最強の象徴」がいない状態となるため、注目度や観客の期待感が下がる可能性があります。
しかしその一方では若手力士が台頭するチャンスでもあり、新たな時代の幕開けを予感させます。
もし不在になってもそれは一時的なものであり、いずれ新たな横綱が誕生することで再び盛り上がりを見せてくれるでしょう。
ここに名誉を称えます

私にとっての横綱は、それまでの功績を称えて「長きにわたりお疲れ様でした」という意味を持つ名誉職のように思います。
そう考えることで、将来やってくる引退の時期を本人がじっくり見据えられるようになります。
ですから常に横綱がいなければならないとは思いません。
相撲界の伝統や価値観は横綱力士の在否に関わらず脈々と受け継がれており、その魅力は力士全員の努力や熱戦に支えられています。
横綱の存在に頼らずともその他大勢の力士たちの奮闘に注目することが、ファンにとっても相撲界にとっても大切なことではないでしょうか。