もう照れますがな

 昔から「じょうずー」とか「カッコいい」なんて言われると、思いっきり顔を赤らめて居た堪れなくなってしまいます。

 こういった感情を持った一番若い頃の記憶では、40年以上前の5歳の時の幼稚園でのお遊戯会です。

 松田聖子さんの「Rock’n Rouge」に合わせて(本当に合っていたかどうかはよく覚えていませんが)、白の全身タイツを履いた上にさらに白い箱を着るような格好でステージに出ていった思い出です。

 体に比べて箱がとても大きかったので、肩から吊るしていた箱はたびたび床に落ちてしまいます。

 そうすると歩いている最中に箱の前後に足がぶつかって、痛いわ転ぶわ。そして悲しくなるわ。

 周りの先生たちは当然のごとく「上手だよー」と褒めてくれていましたが、おそらく私にはこの格好の意味さえもわかっていなかったからこそ感じていた恥ずかしさや照れだったのだと思います。

 「Rock’n Rouge」という曲とこの白い格好の関係性は現在も不明です。

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そんなことないですよ

 人から褒められたとき、思わず照れてしまう経験は誰しもあるでしょう。

 そしてこの「照れ」は嬉しさと同時に生じる微妙な感情の表れです。

 ではなぜ褒められると照れるのでしょうか?

 自分のことを話題にされること自体に恥ずかしさを感じる人もいます。

 特に内向的な性格の人や自己主張が苦手な人は、注目を浴びることで照れを感じやすい傾向があります。

 その人に対して好意を持っている特定の相手から褒められたときには、嬉しさと同時に照れが生じるでしょう。 

 これは相手に自分の気持ちを知られたくないという心理からくるものです。

 褒められたときにどのように返答すれば良いか分からずに戸惑うのです。

 そこで適切な反応が思い浮かばないと、照れた態度や表情が現れることがあります。

 さらにはその感情や表情を隠そうと謙遜をすることも。

☆株式会社マイナビ「マイナビウーマン」 https://woman.mynavi.jp/article/190619-7/

☆株式会社アイベック「ハッピーライフ」

悪い方向にも考えてしまう

お前、それ嘘だろ?

 普段から自己評価が低い人や褒められる経験が少ない人は、突然の称賛に対処しきれずに驚きや戸惑いを感じます。

 過去の経験や性格から、褒め言葉を素直に受け取れず「お世辞ではないか」「裏があるのではないか」と疑ってしまうのです。

 その結果、褒められることに対して照れや不信感を抱くことがあります。

☆株式会社小学館「Domani」

疑念から優越感へ

 ここではじめに触れた5歳の時の「白い格好」には私は今でも納得ができておらず、全然いい思い出にはなっていません。

 つまり、パフォーマンスの出来に疑念を持ったまま幼稚園児時代を終えてしまったのです。

 そして幼稚園を卒園し小学校に入学。

 そのクラスの担任は宮坂先生といい、20代の綺麗なお姉さんでした。

 私がクラスで一番身長が小さかったこともあってでしょう。

 恋愛感情の「れ」の字もうまく書けない私に、その宮坂先生はとてもにこやかに甘い言葉をかけてきます。

 私の一挙手一投足に「かわいい」と。

 あまりに照れくさくなってしまい、もうこちらかは何も言えずに下を向いているしかありません。

 他の生徒にはとても怖い声色で叱りつけている姿を見ると、「照れ」を通り越して悪い優越感に発展していきます。

今でもたまに

 「もうそろそろ克服しろ」とも言われそうですが、しかし褒められて照れる理由はその人の性格・過去の経験や心理状態によって異なります。

 「照れ」は人間らしい感情の一つであり、それを無理に克服する必要はありません。

 大切なことは自分の感情を理解し受け入れることです。

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