奇跡を起こせ! ジャイアントキリングだ!

 8月4日に佐世保市のアルカス佐世保で行われた吹奏楽コンクール長崎県大会の演奏を鑑賞しました。そこに出場していた長崎市立片淵中学校の9人での演奏に感激したのです。

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吹奏楽コンクール

 コンクールの規定では出演人数の制限は中学生の場合は50人以内となっており、最低人数の制限はありません。ただしアンサンブルコンテストという種目の大会もあり、その規定では3人以上から8人までとあります。そのため「9人」はコンクールへの出演人数としては実質最小と言えます。

 吹奏楽コンクールの業界では少人数での参加団体が上位の評価をされることはほぼありません。迫力や表現の差が指摘されるのでしょうか?でも私はいつかこの目と耳でこういう少人数の演奏を享受したいと思っていましたら、偶然この演奏に出会うことができたのです。

高校野球とラグビー

 高校野球の地方予選では、単独校ではベンチ入り人数が確保できないという理由で複数の高校で作られる合同チームが出場するということが増えています。しかし急に戦力が高まることはなく、いざ単独チームと試合となれば大抵の合同チームは早い段階で敗退してしまいます。

 さらに昨年の高校ラグビー島根県予選では2チームしか参加が無く、石見智翠館高校と県内4校の合同チームが対戦する決勝戦1試合のみ。スコアは148-0で石見智翠館の圧勝。この石見智翠館高校は7人制の試合でも全国で上位の成績を残すとともに、ニュージーランドの高校生を招くほどの実力校です。今まで縁もゆかりも無かったとしても、もしかしたら合同チームが勝つ「大どんでん返し」「ジャイアントキリング」を期待する天邪鬼(あまのじゃく)も若干数はいたはず。

 石見智翠館高校のラグビー部は絶対に負けてはいけない試合に勝ったのです。もし負けていたらその評判はラグビー部だけでは収まらず、学校全体の事件になったかもしれませんから。

ジャイアントキリングならず

 吹奏楽でもラグビーでも、大所帯のチームは「上位の評価(吹奏楽では金賞)を受けるのは当然」との気持ちでパフォーマンスをしてもらいたいのです。それは逆に言うと「当然」ではないチームも見受けられるということです。どうか少人数のチームの勇気に応えられるような存在であってほしいものです。

 合同ではなく単独で出場している長崎市立片淵中学校の出演者の一人は曲を切れ目なく演奏するために、全然大きさの違う楽器(トランペットとチューバ)を曲中に一人で持ち替えていました(重さも口の形も変わるんですから大変な技術なんです!下の写真参照)。他の出演者もみんな前を向いてしっかり演奏をしていました。少人数であればあるほど出演者全員が常に自信を持って演奏しなければなりません。

 残念ながら次の大会に進出することはできませんでしたが、今回の演奏は彼らにとって必ずいい思い出になるでしょう。

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